監督
サヘル・ローズ

イラン出身
戸籍なく正確な出身地・本名・生年月日は不明。
7歳まで孤児院で過ごし、養子縁組後8歳で養母と共に来日。
舞台『恭しき娼婦』では主演を務め、主演映画『冷たい床』ではミラノ国際映画祭をはじめとする様々な映画祭にて賞を受賞。
映画・舞台への出演だけでなく、近年では演出などマルチに活躍。
2024年からはKaneboのCMに起用されるなど表現者として活動の幅を広げている。また、芸能活動以外にも個人で国内外問わず様々な支援活動を続け、2020年にはアメリカで人権活動家賞も受賞。2023年にはGIORGIO ARMANI「クロスロード」の日本代表にも選ばれた。
COMMENT
様々な感情を、思いを抱きながら児童養護施設で育った若者たち。傷つきながらも笑顔を絶やさない彼等が抱える孤独。一人一人が記憶を紡ぎ、心の欠片を彼等自身が全身全霊で表現。ドキュメンタリーでもフィクションでもない、実験映画『花束』。
もし、表現できる居場所を失ったら私は生きていけない。
だからこそ、表現によって生かされているこの命を
次の世代にバトンを繋げたく、この作品を生み出そうと決意しました。
今、施設にいる子どもたち、
家族がいてもいなくても苦しんでる全ての大人へ、
彼等の表現『花束』を受け取っていただけたら幸いです。

エグゼクティブプロデューサー
岩井俊二

1963年1月24日生まれ、宮城県出身。1988年よりドラマやミュージックビデオ等、多方面の映像世界で活動を続け、その独特な映像は“岩井美学”と称され注目を浴びる。1995年『Love Letter』で長編映画監督デビュー。代表作は『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』等。2023年10月、最新作『キリエのうた』を公開。国内外を問わず、多彩なジャンルでボーダーレスに活動し続けている。
COMMENT
フィルムメーカーの天使の羽/映画『花束』に寄せて

サヘルさんから今回の企画の相談を受けたのは、2019年。
養護施設出身の若者たちと映画を作りたいという。色々話を伺ううち、この作品はサヘルさんご自身が監督すべきだと強く思った。サヘルさんは最初、全力でそれを拒否した。こちらも強制するつもりはなかったが、誰かが務めなければならない中で、結局彼女がやることになった。
しかし、撮影中も、編集中も、映画が完成しても、話が〝監督〟というワードに及んだ途端、私は監督なんて無理だ、と言う。…

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音楽
SUGIZO

1992 年に LUNA SEA のコンポーザー、ギタリスト、ヴァイオリニストとしてデビュー。
X JAPAN、THE LAST ROCKSTARS のメンバーとしても世界規模で活動。同時にソロアーティストとして独自のエレクトロニックミュージックを追求、更に映画・舞台のサウンドトラックを数多く手がける。また 2020 年より自身が率いるジャズロック・バンド SHAG を再始動する。音楽と並行しながら平和活動、人権・難民支援活動、再生可能エネルギー・環境活動、被災地ボランティア活動を積極的に展開。アクティヴィストとして知られる。
COMMENT
「花束」は近年僕が関わったプロジェクトの中で、最も大切な作品のひとつです。養護施設出身の若者たちの本音、赤裸々な言葉・・・過酷な過去、未来への希望。可能な限り全てを受け止め、彼ら一人ひとりへ向けて音楽を綴りました。
とりわけ河野真也くんは長く LUNA SEA、そして SUGIZO の大ファンでいてくれて、そんな彼の書いた曲を僕がアレンジ&プロデュースし、一緒にレコーディングできたことは、大切な一生の思い出となってしまいました。映画の完成を見ずに真也くんが旅立ってしまったことが、信じられないほど悲しく、悔しいです。…

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脚本
シライケイタ

演出家、劇作家、俳優。劇団温泉ドラゴン代表。桐朋学園芸術短期大学演劇専攻在学中に、蜷川幸雄演出の「ロミオとジュリエット」パリス役に抜擢され俳優デビュー。その後、数々の舞台やテレビ、CMに出演。2011年より劇作と演出を開始。劇団温泉ドラゴンの座付き作家・演出家として数々の作品を発表。劇団外での演出や脚本提供も多い。新劇、アングラ劇団、プロデュース公演など様々なジャンルで創作を行う。社会の中の人間存在の在り方を、劇場空間における俳優の肉体を通して表出させる演出手法と、生と死を見つめた骨太な作品作りが特徴。「若手演出家コンクール2013」において、優秀賞と観客賞。2015年、韓国の密陽(ミリャン)演劇祭において、「BIRTH」が戯曲賞。2018年『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(若松プロダクション)、『袴垂れはどこだ』(劇団俳小)の演出において第25回読売演劇大賞「杉村春子賞」。2019年度の読売演劇大賞において、上半期の演出家ベスト5に選出。桐朋学園芸術短期大学、非常勤講師。日本演出者協会理事長。日韓演劇交流センター会長。座・高円寺芸術監督。著書に、「BIRTH×SCRAP」(2019)がある。
COMMENT
まだこの映画のタイトルも決まっていない時に 僕は彼らと出会った
彼らのことを知るために そして僕のことを知ってもらうために
少しずつ 少しずつ お互いに言葉を交わした
例えるなら 一輪の花をそっと手渡し合うように…

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プロデューサー
田井えみ

武蔵野美術大学 映像学科卒業。
在学中から岩井俊二に師事し、大学卒業後、株式会社ロックウェルアイズへ入社。2013年、ドラマ「なぞの転校生」にてアシスタントライター、助監督をつとめる。その後、制作、編集、プロデューサーと様々な経験を経て、現在は岩井俊二監督作品を中心に、映画、ショートフィルム、MV、CM等の映像制作を手掛ける。監督作品に、化粧品ブランドEx:beaute〈エクスボーテ〉「8Kビジョンファンデーション」PV、ikire「beautiful」ミュージックビデオ(19)。主なプロデュース作品に、「チャンオクの手紙」(17)、「檸檬色の夢」(23)、「夏至物語」(23)、「キリエのうた」(23)などがある。
COMMENT
2019年。とあるカフェで聞いたサヘルさんの映画企画。
その内容は正直、私にとっては少し遠いお話でした。
しかし、サヘルさんと共に映画製作を進めていく中で、その遠い感覚が少しずつ近づいてきた時、痛感したのは「知る」ことの大切さでした。児童養護施設を出た彼らの過去と現在。知らなかった現実。
衝撃を受けることしかできなかった自分に、不甲斐なさを感じたのを今でも覚えています。…

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プロデュース
佐東亜耶

2008年よりインドの児童労働廃止運動イベントを開催。
その後フィリピンやアフリカ等海外の子ども達への支援活動を行う。
2014年より日本の児童養護施設との関わりを持ち、施設の子どもたちや施設退所後の若者たちとの交流を通じて、「自分の人生を自分らしく生きる」ためのサポートや社会活動に従事。
2019年より週末里親・フレンドホームを経験。
現在一般社団法人泉鳳および一般社団法人BEAUDOUBLEの代表理事を務めている。
COMMENT
この映画に関われたことに心から感謝しています。
2019年、自らの経験から、社会的養護の若者達に感情を解放する体験をしてもらいたい!という女優、サヘルローズの熱い思いから始まりました。コロナ中、困難もありながら、長い月日を経て沢山の方のお力をお借りし映画が完成しました。
この作品に出演した若者達の人生は、日本にいるこども、若者達の人生の一部に過ぎません。みなさん、どこかで誰かの助けが必要な生活をしているこども達がいることを想像してみてください。…

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撮影
山口英徳

ビデオグラファー
2019年まで映像制作会社にてTV/WEB映像のプロデューサー・ディレクター業務に携わる。同年フリーランスとして活動を始め、LIVE・イベント・医療・企業VPなどジャンル問わず制作。企画から演出/撮影/編集まで行うこともある。
◎主な参加作品/野村不動産「nomu.comLINE公式アカウント」/横浜中央看護専門学校HPコンテンツ/LIVEイベントPlanetarium Dance Party VEGA 1st/Event produce for Nuzzle 2024/OCRツール「AI JIMY」webcm/ファッションブランド「CCP」2022~2024コレクション/JA道東「みんなの酪農エピソード」/松竹LIVE生配信公演「META歌舞伎 Genji Memories」/コニカミノルタプラネタリウム上映作品[東京の天の川を忘れない][宇宙のオアシスを探して]/s//MV ケンイシイ[Bells of New Life]/JOIN THE PAC (Official Theme Song for PAC-MAN 40th Anniversary)
COMMENT

サヘルさんから連絡をいただいた時はiPhoneで自ら撮影するということで僕の役割は「横にいて相談役..フォローしてほしい」という事でしたが・・汗
感覚的・直感的に作り上げていったサヘルさんらしい作品。
ファインダーを覗くと彼らの演じる姿、表情がキラキラしていたのを
思い出します。